blog

最近の建築の動向

もうすぐ、アルミサッシュ(窓です)の値段が高騰します。
約2倍を超えてきます。
家を建てる地域で、防火地域や準防火地域の場合、防火性能をみたしたサッシュを使わなければなりません。
準防火地域は関東の場合、かなりあります。(僕の経験上だと、半分以上がそうです。)
これは、各行政が都市計画によって決めています。
よく網入りガラスにしている家があると思いますが、それが、準防火や防火地域のエリアです。
なので、眺望のよいところでも、網入りガラスにしなければならなかったりします。
(ファイアーテンパーというガラスを使えば、網無しにすることもできますが・・・。僕はたまに使います。)
今までは、ガラスを網入りガラスにすることで、クリアできていましたが、(細かい規定はいろいろありますが)
サッシュの防火認定の件で、現在のサッシュが防火性能が満たしていないということがわかり、
各サッシュメーカーが、再度、防火性能をみたした新しいサッシュを創りなおすことが、義務づけられました。
それを、各サッシュメーカーごとに各形状ごと、個別に認定でとるため、その開発費用とサッシュ構造に対する費用が異常にかかり、値上げするということです。
僕も実験や現物をみましたが、確かに、いままでよりも値段があがることは、しょうがないことだと思いました。
しかし、設計者の立場でいえば、とても困ってしまうことです。
サッシュの形状もひとつひとつ実験で検証していくので、今現在使われているサッシュすべてが今後使えるわけではなく、サッシュ形状も限られてきます。
そうなってくると、エンドユーザーからすれば、
大きい窓が使えなかったり、
ここに窓がほしいが、コストの面でやめておこうとか、
最悪の場合は、とても暗い、風通しの悪い家ができてきてしまうんではないでしょうか?
家は立地条件やプランにより、そこに窓があるから、この空間は生きるとか、だから、ここに窓が必要なんだとかあります。
どうしようもないこととはいえ、これはとても悪い方向に進んでいます。
僕としては、各行政が、準防火地域のエリアを少し見直す必要があるんではと考えています。
かといって、火災避難規定のことを考えると、これも仕方のないことですが・・・。
でも、この方向性が進んでいくと、絶対に先ほどの流れになってしまうし、何年か経過して、やっぱり法を緩めるということが起きたとしたら、その期間に家を建てたユーザーは、納得いかないと思う。
非常に難しい問題です。

関連記事一覧

ブログアーカイブ